会社概要/ company

ご挨拶

GREETING

代表取締役高橋忠夫
代表取締役の髙橋忠夫と申します。
少し土長の仕事についてお話したいと思います。

私が正式に入社したのは、昭和53年でした。
当時は「高度成長期」ということもあり、旋盤がよく売れ、その搬入作業が沢山ありました。

搬入作業1 三又(さんまた)

まず、トラックからの荷降ろしは、三又(さんまた)です。
クレーン車を使えば早く終わる作業ですが、お金がかかりますし、狭い現場には入っていけません。
三又なら搬入口のそばに設置でき、コロ曳の距離も最短で済みます。
三又とは、太い丸太3本を組み合わせた即席のクレーンのような道具です。現場で人力で組立、チェンブロックを取り付け、根がらみをとって完成です。
想像もつかないでしょうが、この三又で5~6トンクラスの旋盤をトラックの荷台から簡単に吊上げて降ろしました。

搬入作業2 コロ曳

降ろしたら次はコロ曳です。
樫の道板をひき、コロを置き、その上に樫のスキットを置き、その上に旋盤を乗せて引っ張るのです。
定位置まで引っ張る作業は、チルフォールという道具を使い、人力で引っ張ります。引っ張る距離が長いと体力勝負なので、だいたい若手が担当でした。

親方は、コロの先端を大ハンマーでたたいて、重い旋盤を右に左に移動させ設置場所までコロ曳します。まっすぐなコロ曳は簡単ですが、カーブや直角に曲がる時などは、職人技でした。

定位置までコロ曳をしたら、お客さんに位置を確認してから、地べたに下ろす段取です。
まず旋盤をジャッキアップしてスキット・コロ・道板の順に撤去してから地べたに下ろします。
結構面倒くさい作業ですが、1つ1つが大事な作業でした。

旋盤のほかにも、新聞輪転機・試験機・電気設備など、色々な機械設備の据付や解体作業も経験してきました。

搬入作業2 コロ曳

道具の進化と仕事への姿勢

雨や雪が降る中での作業とか、辛い現場も沢山経験しました。
最近では道具関係もかなり進歩し、より安全でスピーディーな仕事ができるようになりました。

しかし、仕事に取り組む姿勢は昔と変わりません。
土長の社員は、「基本を大切にし、決して手を抜くことをしない」を原則としています。
1回で終わる作業も、横着(オウチャク)すると必ず2度手間・3度手間かかるようになります。
基本を、抑えておかないと必ずミスがおきます。
おこなうべき手順を省略しない事が大切なんです。

搬入作業2 コロ曳
話は変わりますが、私の趣味は映画鑑賞です。
いろんな映画を見ましたが、特に印象に残っているのが「ランボー」シリーズです。

主役のランボーは、どのような状況下におかれても常に冷静沈着で、決して「あれダメ」「これダメ」と言いません。
それはどういう事かと言うと、現場にある全ての物を使いこなす「技(わざ)」と「術(すべ)」を持っていたからです。

飛行機を操縦していたかと思うと、次はヘリコプター。そして戦車も操縦して大砲も撃つ・・・。
なんでも操縦して、なんでも使いこなせる「職人」なんですよね。
ほかに好きな理由として、「なきゃないなりに」現状を乗り切る「技」を取得している事です。

これは、我々職人の世界でも通用する事だと思います。
現場で「あれがないからできません」ではなくて、「なきゃないなりに」よく考えて、現場で調達できる物を利用して仕事を完成させる「技」。

せっかく良い道具があるのに「道具の使い方がわからない」ではなくて、ふだんから道具に興味を持って接する事や、道具の持っている機能を100%発揮させることのできる「技」の取得が必要です。
そうすると、道具に対する「こだわり」みたいなものが自然と身についてくるものです。

従業員が安全帯にぶら下げている工具類を見ても、一人一人の「こだわり」が感じられます。
我社では、現場で従業員が困らないように必要とされる資格取得には、積極的に取り組んでいます。
しかし、資格を取得してもそれはまだ「最低限の基本的な知識」でしかありません。
いろんな現場を経験することにより知識が蓄積され「技」に磨きがかかってきます。
そうすることにより、たとえ初めての仕事であっても、物事を完成に導く「術(すべ)」をマスターできるようになります。

現場で、「あれダメ」「これダメ」言っていたら「職人」ではありません。
「職人」のプライドを持って仕事をする、これが土長の仕事であり、土長の誇りなのです。

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